超強烈個性上司列伝

超強烈個性上司列伝 ~この人の為と思える上司 鬼軍曹・西郷どん~

在宅業務を始めて感じたのが、上司や同僚との会話が極端に少なくなった事。

朝礼と終礼時にパソコンで映像を繋ぎ、お互い会話するか、携帯のやり取りに限られてきました。

特に単身赴任なら、自宅で話をする相手がいないので、尚更ですな。案外、孤独感も徐々に感じつつあります。

そんな中、思い返したのが、過去に仕えた上司は今どうしているのかなぁというもの。

忙しい日々では気づかない事も、ある意味、孤独感満載の在宅業務では、ふっと思いかえす事もあるもんです。

社会人になって、はや20数年が立ちます。

月日というものはあっという間に過ぎ去っていくもんですが、サラリーマン稼業を長く勤めていると、様々な上司に仕えます。振り返れば、心や記憶に残る上司も数多くいました。

世間では、コロナウィルス一色になっていますが、時には話題を変えて、ほっとしたいもんです。

そこで今回は、箸休め的に、超強烈個性上司列伝と題し、最初に上司として仕えた「鬼軍曹・西郷どん」をご紹介します。

鬼軍曹 西郷どん

入社して初めて仕えたのは、維新三傑の一人である「西郷隆盛」にそっくりの上司。

太い眉に角刈り頭、ポッコリ出たお腹にノシノシ歩くその様は、実物にお目にかかったことはありませんが、まさに「西郷どん」にふさわしい出で立ちでした。

当時、毎週木曜日は、マンツーマンの数字報告会でしたが、まぁこの西郷どん、無茶苦茶怖かった。とにかく威圧感満点で、数字を落としますなどと言おうものなら、「何でじゃぁ~」とよく怒鳴られたもんです。

まぁ、ここまでなら良くある普通の話。

この西郷どん、拘りが半端なくある上司で、ある意味様々勉強させられました・・・。

弁当のご飯は冷や飯・平飯・200グラム

新人の仕事は、業務にとどまらず、雑用も数多くあるもんですな。

入社1年目の私も、多くの雑用をこなしましたが、一番苦労したのが、イベント時の弁当手配でした。

あるイベントの昼食を弁当会社へ手配し、西郷どんの元へ持っていくと「こんな弁当たべられへん、お前はあほか!」と一喝されます。

事前に先輩へリサーチした西郷どんの好きな「唐揚弁当」なのに、何でやろう?と困惑していると、「弁当の飯は、冷や飯!で、俵飯ではなく平飯なんや!」との事。

はぁ?ほっかほっか弁当でも温かいご飯やし、コンビニ弁当でも店員が「温めますか?」と聞いてくるこのご時世に、冷たい飯に平飯の意味が分からんと思い、モゴモゴしていると「美味しいご飯は、冷たくても美味しい。平飯は俵飯と比較してご飯の量が多いので、弁当会社もごまかしがきかんのや!平飯で200グラム、よう覚えとけ!」。

弁当のご飯一つで、ここまで拘りのある人、いきなり遭遇してしまいました・・・。

因みに、弁当会社にこの内容を伝えると、「初めて弁当の注文でご飯の指定をもらいました」との事。

う~ん、弁当なんて食べたら終わりと思っていましたが、どうやら違い、かなり悩んだ記憶があります・・・。

公私混同全開

年末前の数字報告の時の事。西郷どんが「今度の24日空いているか?」と尋ねてきます。

24日と言えば、クリスマスイヴ。「その日何かあるんですか?」とジャブを打つと、「引っ越し手伝ってほしいんや」の一言。

どうやら、自宅から100メートルほど離れた家への引っ越しになる為、引っ越し会社に依頼するほどでもないというのが、西郷どんの判断。

しかし、こっちに言わせれば、たまったもんじゃぁない。

たんすや冷蔵庫など、結構重量もあるし、万一指でも挟もうもんなら、一体だれが責任をとるんや!と心で思いながらも、社会人1年生は、上司に言い返す勇気もなく、「分かりました」と答えてしまいます。

引っ越し当日は、非常に寒い日で、荷物を持つ手が震えるほど。

ようやく引っ越しが終わった夕焼けの空は、雲一つない空だったことを20数年たった今でも、鮮明に記憶に残っています。

この人の為ならと思える西郷どんの魅力

そんな”公私混同”全開の西郷どんですが、ホント”憎めない””この人の為なら”と思えるキャラクターの持ち主でした。

夜8時を回って残業で忙しくしていると、「お前ら、そんなに仕事ばっかりやっていても仕方がない、呑みに行くぞ!」と言われ、半ば強制的に夜の街で他の先輩同僚と一緒によく呑んだもんです。

しかも呑みの席では、西郷どんの大好きなゴルフの話や、カラオケを歌うなど、仕事の話は一切なかった。

しかも、お勘定は全て西郷どん持ち。一度も部下が支払った事はありません。

部下の前では、強い西郷どんも、幹部から怒鳴られている背中を見たり、ゴルフの対外試合で120点オーバーだった若かりし頃、「次100叩きやったら、対外試合は出さん」と言いながら、ずっと出し続けてくれたりと、部下を信頼して使ってくれているのが肌で感じることが出来ていました。

なので、こっちも意気に感じて「もっと、この人の為に頑張らなあかん」と思い、当時は一生懸命、仕事を頑張ってましたなぁ。

「この人の為なら」と思える上司は、まぁ西郷どんが一番だったかなぁと思います。

今でいう「パワハラ」という言葉が無かった時代でしたが、逆に、「強面だけど面倒見が良い」という言葉がまさに実体験できた、良い時代だったのかもしれません。

約10年後、私はその勤めた会社を、転職で去る事になります。

最後に西郷どんから「次の職場はもう見つけているのか?」と言われた時の表情は、心にグッとくるもんがありましたなぁ。

この春、風の便りで定年退職されたと聞きました。

在宅業務で、職場の人間関係が希薄になりがちなだけに、ふと思い出してしまいました。

皆さんにとって「この人の為なら」と思える上司は、今まで仕えたことがありますか?