単身赴任

単身赴任の秋の夜長に読みたい おススメ本~作家・吉村昭編~2選

9月初旬は非常に過ごしやすく、このまま行けばなぁと思っていましたが、9月中旬ごろから暑さがぶり返し。

日中の営業車は、クーラーが欠かせない状態になり、夜も寝苦しさも日増しに強くなってきてましたが、ここにきてようやく秋を感じる過ごしやすさになってきました。

そんな時は、仕事や色んな嫌なことを忘れて、外の虫の音を聴きながら、ゆっくりと本を読みたいもんですな。

そこで今回は、単身赴任の孤独なんてちっぽけに感じる、秋の夜長に読みたい、作家・吉村昭さんのおススメ本を2つご紹介します。

読んでいて背筋が凍り、何度も背後を振り返る「熊嵐」

1915年(大正4年)の12月9日から12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村三毛別(現:苫前町三渓)六線沢で発生した、クマの獣害としては日本史上最悪の被害を出した三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)がモチーフになった「熊嵐」。

熊と言えば、本州に生息するツキノワグマと、北海道に生息するヒグマがいます。

その昔、高校生の北海道修学旅行で訪れた「クマ牧場」で、エサをねだる愛らしいヒグマの姿に、「クマも大したことないなぁ」と思ったもんです。

しかし、この本を読むと、熊に人間が立ち向かうなど、おおよそ不可能ではと思わざるを得ない程、その賢さと恐ろしさに、読書しながらも何度も背後を振り返ってしまいます。

因みに、人がクマに襲われることを食害と言いますが、この被害事件が結構発生している事が判明。特に、山中に分け入って沢で釣りをする人や、山菜取りをする人は、特に注意が必要です。

読んだ後は、熊の恐ろしさに心が凍っているはず。

秋の夜長にピッタリの、おススメ本です。

江戸時代に鳥島に流れ着き、懸命に脱出を試みた長平の執念「漂流」

江戸時代に船の難破で伊豆諸島の鳥島へ漂着。12年に及ぶ鳥島での無人島生活を経て、その後、故郷へ帰還を夢見た、土佐の船乗り・長平の史実を基にした物語です。

どんな状況下でも、諦めない事、そして絶望にどれだけ打ち勝てるのか、それこそが生死の分かれ目であることを、強烈に感じることが出来ます。

ただ、果たして自分がその立場に置かれれば、どうなのか。実際に、自分が絶対国へ帰るんだという強い執念を持ち続けることが出来るのかどうか。長平の気構えと執念は、尊敬に値するなぁと心から思います。

この作品を読むと、正直、単身赴任なんていかに快適な生活なんだろうと思わざるをえません。

秋の夜長に、ぜひ一度読んでみてください。